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ハンドメイドで高級多重箔押しシールは作れるのか!?結果報告!

お久しブリーフ!実に3ヵ月ぶりのBLOG更新です。ちなみにブリーフ派ではありません。(どうでもいい情報)

いつか挑戦しようと思いつつ、なかなかチャレンジできなかった企画をやっと遂行しましたよ。それが「多重箔押しシール」です!

タイトル画像(写真)見てわかるように、コツコツと【箔】を買い集めてて、金銀箔以外にも、様々な種類の箔をそろえていたのです。

これだけの【箔】を集めるのに末端価格5万円以上はかかりますからね。ええ!使えるかどうかもわからない【箔】にたいしてですよ!(汗)

これで実験が上手くいかなかったら、万札をドブに捨てるようなものですからね~

万札を捨てていいのは竹藪の中だけと日本では決まってるんです。(80年代は竹藪や道端に1億円が落ちていてニュースになっていた。ついでに道端にはホロシールも落ちていた時代・笑)

ちなみに通常の単発箔押し(一色のみの箔)なら印刷所のほうが安価です。しかし!多重箔(複数の箔を押す技術)になると受け付ける印刷会社は限られてきます。

さらに多重箔のBIGシールだと業者印刷で40~50万円ぐらいかかる事もあるようです。(業者だと箔の種類は金銀以外そんなに選択しがないと思う)

そういう事を考えると、ハンドメイドで多重箔押しができる技術を身に着けるというのは、<かめはめ波を習得するのと同じぐらい大変な事>なのです。

あ、、、さらっとボケますけど、各自脳内で突っ込んどいてください。(笑)それでは、実験の模様と結果を解説していきます!

まずは絵柄がないとはじまらないので、キャラを描く。頭の中でイメージしたら、マジックで速攻ペン入れ。

今の時代、「デジタル箔押し」なんて技術まで印刷会社にはあるというのに当ブランドは、ゆりかごから墓場まで(最初から最後まで)ハンドメイドのアナログ作業というね。

昔はミリペンで描いてたけれど、今はラッセンのマジック1本で描くことが多い。以前は修正液で間違い個所を消してたけれど、よく考えたら、スキャンして失敗部分を修正すればいいことに気が付いて、それからは修正液とかは使わなくなった。

それでもできるだけ修正しないほうが楽なので、失敗しないように注意して描くようにはしていたら・・・ボキ!と、ギックリ腰になりましたとさ。(泣)

中腰で机にへばりついて描いてたのが悪かったらしく、もう腰が痛いのなんのってね。

それでも描かないとはじまらないので、床に寝ころび、うつ伏せになりながら描きましたよ!

ここまでくると執念だな。。。。

シール作りすぎて年々身体がボロボロになっていく。来年?再来年?で本業シール作家として生活して10周年ぐらいだろ?もうそろそろ体力が限界なんじゃないか?と思わされたできごとであった。

シールで飯を食うというのも、なかなか大変なのですよ。

そういう思いもあって、10周年を迎える頃にはオトギークが完結するはずなので、そこをめどに本業としてのシール活動はセーブしていこうかなとも考えてます。(職業シール作家って俺ぐらいしかいないし・笑)

それぐらい今回のギックリ腰はつらかったなぁ。(箔関係ないエピソード)

箔押しのやり方は、いくつかある。

1:ラミネーターで箔押し
2:ラミネーターを使わない箔押し
3:熱したコテでフリーハンド箔押し
4:カッティングマシーンで箔押し

全部の手法をためしたけれど、結局は(1)をメインにすることにした。(2)は、短時間でやらないといけない手法なため、写真のように箔を切り貼りしていく作業が間に合わない。

(3)は、フリーハンドで箔をトレースしていく手法。全絵柄の色が箔のパチみたいなシールを作るのならいいけど、今回の絵柄だと合わないのでヤメた。ちなみに箔に凹凸の模様を描くさいにも使える手法。

(4)は、カッティングマシーンがあると、もっと便利に箔押しができる可能性があるんだけれど、わざわざカッティングマシーンを購入する気になれなくて断念。

「多重箔」をする場合、違う種類の箔を切り貼りするのに時間がかかる。写真の状態にするまでに1時間以上かかるため、1枚のシールに1時間以上かかる計算に・・・

余った箔が使えるのはコスパ(コストパフォーマンス)がよいけれど、時間的なタイパ(タイムパフォーマンス)は悪いので、結局のところ量産は難しくなり提供する価格は割高にならざるを得ない。

試作品のつもりで制作したが、上記理由により、まず量産は不可能に近い!そのため、完成したものだけを少部数販売するという形にしていく。

また全ての【箔】が違うので、ほぼ1点モノという認識で見てもらえるといいかと思う・・・

現状、自分用にも保管できるほど枚数が作れないので、ここに紹介するものでBLOG執筆段階では全枚数です。現段階では売り切れたら、その人しか所有していないシールになります。(汗)

上から順番に解説。

ビームボーイA:金箔
ビームボーイB:三色特殊箔左右赤紫中央青紫
ビームボーイC:三色特殊箔左右青紫中央赤紫
素材:プリズム

脊髄魔A:三色特殊箔&金箔(文字のみ)
脊髄魔B:紫箔
脊髄魔C:三色特殊箔&金箔(枠の途中で分岐して箔)
素材:プリズム

虐殺女王A:金箔&紫箔&銀箔
虐殺女王B:金箔&三色特殊箔&銀箔
虐殺女王C:金箔&三色特殊箔
素材:プリズム

猫魔導士A:金箔
猫魔導士B:マーブル箔
猫魔導士C:三色特殊箔
素材:プリズム

コドモドラゴンA:金箔&紫箔
コドモドラゴンB:三色特殊箔
コドモドラゴンC:三色特殊箔(炎なし)
素材:プリズム

ドラゴンA:三色特殊箔
ドラゴンB:金箔&三色特殊箔
ドラゴンC:金箔&紫箔
素材:プリズム

メカナーガA:金箔&三色特殊箔
メカナーガB:金箔&三色特殊箔
メカナーガC:金箔&ホロ箔
素材:スパンコールホロ

戦士ファイターA:金箔(集中線)
戦士ファイターB:金箔
戦士ファイターC:金箔&三色特殊箔
素材:プリズム

ホークマンA:三色特殊箔
ホークマンB:金箔&三色特殊箔&ホロ箔
ホークマンC:金箔&三色特殊箔&銀箔
素材:銀アルミ

スネークヘッドA:金箔
スネークヘッドB:プリズム箔
スネークヘッドC:三色特殊箔
素材:ミニスパンコールホロ

僧侶モンクA:三色特殊箔&金箔
僧侶モンクB:金箔
僧侶モンクC:金箔&錆金箔
素材:プリズム

手の目A:三色特殊箔
手の目B:銀箔
手の目C:錆金箔
素材:プリズム

リザードマンA:金箔&銀箔
リザードマンB:紫箔&銀箔
リザードマンC:三色特殊箔&金箔
素材:ビッグスターホロ

魔物使キグナスA:金箔
魔物使キグナスB:三色特殊箔
魔物使キグナスC:紫箔
魔物使キグナスD:三色特殊箔
魔物使キグナスE:銀箔
魔物使キグナスF:錆金箔
素材:プリズム&ビッグスターホロ

スカルA:銀箔&金箔&紫箔
スカルB:三色特殊箔&錆金箔
スカルC:銀箔
素材:プリズム

以上。A~C各1枚づつのみ。

48mmサイズで実験した結果わかったのは、箔の種類によって成功率が違うという事。

上記写真を例にすると、「金銀箔」は成功率が高い。アルミ箔系は色が違っても素材は同じようで「紫箔、錆金箔」も同じく成功率は高い。

「マーブル箔」「ホロ箔」は、成功率が低く、「プリズム箔」「クラッシュ箔」など(右側系統の箔)は、熱で全箔が溶けて張り付いてしまい使い物にならない。

「三色特殊箔」は中くらいの成功率。これは角度で光り方が変化するので、どうしても使いたい箔なので、比較的使うようにしている。印刷会社の箔では、見かけないのでハンドメイド独自の箔押しということになるかもしれないので優位性が高まる。

今回は使用しなかったが他にも「緑箔」「赤箔」「白箔」「青箔」など多数の箔を所有しているので、また作るきかいがあれば実験的に使用してみたいと思う。

ちなみに貼りにくい箔も、紙に箔押しすると上手くいったので、おそらく箔によってシール素材と相性があるのだと思う。

箔というものは、紙用、皮用、など実は細分化されており、用途によって違う。ただシール用の箔というものは存在しないので、実験してみるしか方法はないのである。

このじてんで、右側の箔は素材としては良い物なのに、箔として使いものにならないので、ドブに捨ててるようなもの。案外とショックではある。まぁ、紙素材を応用してノーマルシールに箔押しするなどして今後使えば再利用できるかな?と思う。

とにかく今回の実験では『プリズム&ホログラムに箔押し』をする事が目的だったので、使える箔が把握できただけでもよしとしよう。

ある程度のデータがとれたので、今度は4倍サイズ(48mmの4枚分)のBIGシールに挑戦することにした。写真右上側のオートマンさんのシールみたいなやつですね。

こんな高級シールをハンドメイドで作れるのか!?という挑戦が今回の目的でもあった。(ちなみにオートマンさんのシールは印刷会社で制作している業者シールで金銀箔の二色多重箔)

品質ではハンドメイドはかなわないので、差別化として三色多重箔でBIGシールを作る事にした。大きさがBIGということは使う箔も倍なのでコストも上がる。失敗したらダメージ大ですわぁぁ!!(汗)

黒が白印刷の個所で白が抜く個所。絵柄の線のデータ個所を数ミリ単位でズレさせて透けるようにする。こうすると黒線の端が少し抜けて輝きが増す。

左がデータ。右が白を印刷したときの写真。ハンドメイドだと、この上にカラー印刷を貼り合わせるので手間だからたまにしかやらない手法。

モンスターの鱗の部分だと効果がわかりやすいと思って、他のキャラ(ドラゴンなど)もこの手法を使っている。どうなるかというと・・・

BIGシールだからわかりやすいね。こんな感じに鱗模様に立体感が出て輝きが増すのです。

とりあえず今回のBIGシールは「魔物使キグナス」のみとなります。名前の由来は、描いて色付けてみたら聖闘士星矢(アーミー星人のボスキャラ・笑)みたいな感じになったのでキグナスにしました。

バージョンはAとB。48mm版と比較すると、かなり大きいですね。

写真のものは「金箔、銀箔、紫箔、三色特殊箔」を使用。素材はプリズム。

基本は、この箔で作るつもりだけど、違う箔の組み合わせで作る場合もあるので、箔は選べないということでご了承ください。

ちなみにABでは箔のデザインが違います。あとは背景の模様も異なります。

48mmと同じく、量産はできないので少数のみの販売となりますね。1ヵ月かけて48mmが1キャラにつき3枚しか作れなかったので、BIGもメチャクチャ少ないと思っといてください。

他のキャラクターもBIGシールにしたいけれど、時間と労力の問題で難しいかな・・・まぁ希望者がいるようであれば考えときます。

とりあえず売れるかどうかが問題で、その後も欲しい人がどれだけいるかで、今後も箔押しをリリースするかが問われてくるでしょう。

どちらにしても、量産ができない(手間が半端なくかかる作品のため)数が少ないので、価格が安くできないというのが問題ですね。まぁ、しかたがないけれど・・・

てなわけで実験として「多重箔押し&BIGシール箔」はハンドメイドでも、そこそこ制作できる!という結果になりました。

印刷会社の業者シールと品質比較されると厳しいけれど、ハンドメイドで作りたいシールの幅が広がったという事であれば、大半のシールは作れる技術を身に着けたといえるのではないでしょうか!?

あとは・・・「かめはめ波」を出せるようになるだけだぁぁ!!(オチ)