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ミスピーチワールド攻略本&シール解説

■ミスピーチワールドは1991年に発売された裏ファミコン

「ミスピーチワールド」の攻略本&シールの解説です。ミスピーチワールドは1991年に発売された、任天堂非公式ファミコンです。

元がアメリカで発売された「メナスビーチ」というゲームを、改良されて作られたアングラのファミコンソフトなのですが、8ビットのファミコン世界というのは、実はいまだに欧米ではインディーズで新作ソフトが作られてるんですね。

80年代~90年代にシール文化とともに流行したファミコン文化ですが、海外では新作のオリジナルファミコンソフトを個人が作り販売するという文化で生き残っています。

ちなみに欧米では「マッドボール」(日本のホラーボール)も同じ流れで生き残ってて、個人がボール形状に造形をして新作を出し続けるというクリエイターが増えています。

例えばボール状の恐竜の顔など、ゾンビ系から派生して様々なシリーズが出てきてるんですね。

この文章を読んでるのは、ほとんど

「正方形シール系」
「消しゴム(キンケシ系)」
「長方形トレカ系」
「ガチャガチャ系」
「駄菓子屋の引き物系」
などに興味がある方が多いと思います。もちろん、ここらへんの文化も80年代を主流にして、現在も小さいながらにカルチャーとして生き残っているわけです。

80~90年代は<サブカル>という大きなジャンルとして、各それぞれの文化が集約されてブームとして定着していたわけですが。現在は細分化されて、個々にコミュニティが生まれてきているといったところでしょうか。

もちろんZineenブランドでは、ここらへんおカルチャー文化をテーマにした作品を発表しているわけですが、さすがにファミコンを作るには、資金も時間も人手も足りないわけです。(スポンサーがつけば別ですけど。個人だと厳しい)

でもメンストリームで新作のファミコンソフトはリリースされなくても、インディーズとしては新作ファミコンソフトは、今もなお発売され続けている!

これはシール業界とも、似たような動きなのですね。シール業界も、この数年でやっと「オリジナルシール」という文化が発展し定着してきたと思います。



■今も続くインディーズのファミコンソフト

これはファミコン文化も同じで、例えばフランスだと、「BASSE DEF ADVENTURE」というバンドデシネ(インディーズ漫画)を原作にした、インディーズのファミコンソフトがあるんですが、レトロゲームの世界に閉じ込められた主人公が脱出する物語なんですね。

新作ファミコンソフトとしてリリースされたのが2019年なので、つい最近です。

この80年代を継続する文化の流れは、ミニマムといえども世界中で起きているわけです。

そのことをZineenブランドとしては伝えていってますし、こうした現象を知ってもらうためにも、今回は「ミスピーチワールド」を取り上げました。

この「ミスピーチワールド」は、1991年にアングラ通販雑誌(メリケンサックや木刀や特攻服などが売っている通販雑誌・笑)でのみ発売されてたファミコンソフトで、日本からみると「スーパーマリオ」の偽物のイメージとして定着していて、現在プレミアがついてます。

でもこのメーカー、とにかく二次制作を合法的にやるのにたけていて、「マリオ」という単語も出てきませんし「ピーチ姫」「クッパ」という単語を使わないで、イメージだけを伝えることに成功しています。

そもそも「メナスビーチ」という米国のゲームが元になっていますから。マリオ関係ないんです。

当時はファミコンのカートリッジと本体の2つに任天堂は特許があって使用料を2倍払わないといけなかったんですね。

そこでアメリカは独自のファミコンのシステムを開発してて、ファミコン互換ソフトとして流通して、現在も任天堂のファミコンと別途ルートとして「ファミコン文化」が継続してるのは、そのためです。

もう少し詳しく言うと、海外にはプログラマーでなくてもファミコンソフトを制作する事ができるソフトが存在します。ドット絵でキャラを描いて、当てはめて、ゲームを組み合わせて新作が作れるんですね。

日本と海外では、文化のルートが分岐してしまってるのです。

この「ミスピーチワールド」もアングラであるものの、合法二次の一種なんですね。ちなみに会社じたいは、もうつぶれてる&商標登録はされてないので、今回シール化したというわけです。

二次って日本では勘違いされてますが、実際は合法(ホワイトよりのグレーゾーン)でできる事も多くて、例えば、ある漫画雑誌は公式で出版社側は訴えないことを発表してますし(個別の作者に問い合わせてくださいとのことです)、あるフィギュアメーカーも改造したものを販売してもOKという許可を問い合わせてみたらOKいただいてます。

意外と厳しいメーカーばかりではないので、聞いてみるとOKもらえる事もあるのです。あとは弁護士などにも問い合わせて調べてみた結果として、ポーズやタッチに著作権はないということもわかってます。

ようするに、スーパーマリオのピーチ姫だとNGだけれど、LAコップのミスピーチならOKというのが、80年代のパチ文化なのです。(これだと合法よりのグレーになる)

ここに80年代のパチ文化のルールがあるのです。

シール文化の「パチ系(偽物系)」って、わざとにイラストを崩して描いてたり、名前を変えてデザインは似たようなキャラにしてますよね?それって、ここらへんのルールをふまえて生まれてきてるのだと思われます。

シール、カード、消しゴム、などは、自力で素材を作り工夫して制作し、安価に提供できるまでになりましたが、ファミコンは、さすがに資金と時間的に厳しいものがあるわけです。

でも、今回、ここで書いたような80~90年代のTOYブームは世界中に派生して今も生き残っている!という事をシール業界にも伝えたかったのです。そこで、「攻略本&シール」という形状で、今回あえてリリースしてみたというわけです。

パチ文化(偽物文化)っていうのも深くて、一般人が違法と思っているのは実はイメージだけで実際は合法に近い事もあるわけです。また逆に「皆がやっているから」という理由だけで違法なことを合法かのごとく、やってしまうパチもあるわけですよね。

この見極めが、パチ文化には必要かなと思うのです。80年代における「これパチじゃねーか!」(子供心)と叫んでた我々世代にとって、実は、よくよく調査してみると、グレーゾーンのギリギリのラインを攻めてた合法的戦略だったということに気づかされます。

「ボーダーラインを越えずギリギリを攻める!」ここにパチ文化の奥深さを感じるわけです。